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【マッチレポート】アサヒスーパードライパシフィックネーションズカップ2024 日本代表vsフィジー代表
◇アサヒスーパードライパシフィックネーションズカップ2024 決勝 vsフィジー代表
◇日本代表 17-41 フィジー代表(前半 10-10 / 後半 31-7 @東大阪市花園ラグビー場)
昨年のパシフィックネーションズカップでは12-35で敗れた相手との決勝戦。
日本ラグビー界における聖地の1つ、東大阪市花園ラグビー場に14,437人が来場した。
そんな中、浦安D-Rocks所属の竹内柊平(以下、竹内)は決勝戦でも3番を託された。
「フィジカルとフィットネスの部分では絶対に負けられないです。」
サモア戦後に自身の強みである部分は格上であるフィジー代表に対しても負けられないと意気込んでいた。
実際にファーストコンタクトの印象はまずまずであった。ブレイクダウンも含め接点の部分は負けていない。試合を見ていてもそう感じさせる躍動を見せた。
だが、次第に差し込まれるシーンが増える。
「フィジカル強かったです。今までやってきた相手と比べても屈指の強さと感じました。」
試合後のミックスゾーンでは、そう言葉を漏らしていた。
その言葉は、改めて世界の壁の高さを痛感したと、現在地を確かめられたと、そういったものに聞こえた。
今回ボールキャリーが多くない印象をうけたが、ディフェンスやブレイクダウンの部分では奮闘を見せる。
前半のウォーターブレイク後のスクラムでは、相手ボールスクラムを奪い返す形になった。スクラムも悪くない。
「スクラムは崩せているのに行ききれませんでした。獲りきれなかったですね。」
しかし、本人はこう自己評価する。
パシフィックネーションズカップと通じて期待されているところ、そして自分自身も強みにしている部分であるが故に、相手のレベルが高かったとしても納得いくものではなかったと竹内は言う。
前半にHO原田衛(東芝ブレイブルーパス東京)がシンビン(10分間の一時退場)となり、FW7人で戦う時間もあった。
ラインアウトのスローイングも本職ではない竹内が投げることとなる。
さすがにフッカーがシンビンになる想定はしていなかったであろう。
しかし、マイボールラインアウトになった途端、誰が投げるのだろうという空気に一瞬なったのだが、誰かに言われたり、相談しあった様子はなく、竹内が一目散にボールを取りに行ったのだ。
「昔、HOの経験があったので自分が投げるしかないと思いやりました。」
そのラインアウトは失敗に終わったが、後に投げた2投目は綺麗なスローイングを見せた。
国際試合という大舞台で、アクシデントに対応する力は確実に上がっているのだと伺える。
後半が始まって5分のところで竹内は交代となる。
ベンチに座ることなく、立ちながらチームへの鼓舞を続けていた。
「悔しかったです。勝ちたかった。」
残り25分ごろからフィジーペースのまま試合は進み、日本代表も1トライ返すが反撃には至らなかった。
結果的に24点差という昨年以上の大敗となってしまったが、誰もが最後まで日本代表の勝利を願っていた。
次の代表戦は10月26日(土)にニュージーランド代表との試合だ。
オールブラックスの愛称で親しまれる黒衣を纏った戦士たちとの試合が日産スタジアム(神奈川)で行われる。
日本代表ヘッドコーチであるエディ・ジョーンズ氏もこう語る。
「起きたことは起きたこと。過去は過去。次の試合に向け準備をして、史上初、オールブラックスに勝てるようにしたい。」
10月末。ブレイブブロッサムズ(日本代表の愛称)の名の通り、勇敢な桜の戦士たちの活躍を願いたい。
【エディ・ジョーンズHC記者会見コメント】
まずは勝利したフィジー代表におめでとうと言いたい。フィジー代表に関してはティア1のチームとしてタレントの育成に成功しており良いモデルを形成していると思う。
ほとんどの選手がフィジアンドゥルアでプレーしているし、選手層も非常にあつい。本日はとても良いタフなテストマッチを行っていた。
日本代表に関しては、エフォート(努力)は良かったと思うが、まだディデールの部分が高いレベルに満たない部分があった。
ハードワークを長い時間し続けるレベルにはまだ達していませんし、その域に達するためにも、今後もハードワークをし続ける必要があると思う。今日は実力が不足していた。
【3番 竹内柊平選手 コメント】
-敗因は何と思いますか?
獲りきれないこと。決め手の部分でミスがあり、スクラムの部分も崩せているのに行ききれない。これが前半から続いていた印象はあった。
自分たちはダブルタックルにフォーカスしていたが、後半になるにつれて1対1のシーンも増え、そこでうまく繋がれた。
-前半終了間際、HOがシンビンでいない中マイボールラインアウトになりました。率先してボールを取りに行きましたが、あれは自ら察知して即座に行動したのでしょうか?
自分がHOの経験があり、自分が投げるしかないと思い行動した。
-ラインアウト投げたのは初めてのことですか?
SA浦安時代に何回かしたことがある。久々にスローを投げたが、1回すごいいいスローが投げられてよかった。
-途中7人でのスクラムとなりました。結果的にはペナルティになってしまいましたが、普段とは違う部分で何を意識しましたか?
攻めるスクラムというよりは安定したスクラムを組むことを意識した。
マイボールの時はボールを出すことに集中し、相手ボールの時は無理に攻めるのではなく、味方とのコネクションを意識していた。しかし、コネクションはあったと思うがプレッシャーを受けたと思う。
-PNCを通じて感じたことはありますか?
スクラム・フィジカル・フィットネスの得意としているところが上手くいっていた時は、チームとしても上手くいっていたと感じたので、改めて3番というポジションはチームの勝敗に関わるポジションだと思った。
少し間代表としてオフ期間に入るが、D-Rocksに戻って自分の課題を修正し、得意な部分は伸ばしていき、次のオールブラックスというビッグマッチに向けてチャレンジしていきたいと思う。
-ABs戦に向けた意気込みをお願いいたします。
世界でもトップクラスのチームであり、スクラムも非常に強いチームだけど、今までもやってきた超速ラグビーという自分たちが信じる一本の柱があるので、ここをさらにフォーカスするために、体現するためにフィットネスレベルもフィジカルレベルも上げていきたい。
さらに良いスクラムを組めば、格上相手も倒せると思うで、このオフ期間も無駄にせず良い準備をしていきたい。