「これまでの努力が実った気がして、自然と涙が出て来ました」

セブンズ日本代表 選出記念インタビュー～ 石田 大河 ～

―セブンズ日本代表選出おめでとうございます。発表はどんな形でされましたか？
「網走合宿の初日に皆の前で発表されたのですが、合宿前に知りたいという人はサイモンHC（男子セブンズ日本代表サイモン・エイモーHC）と直接話をしたり、自分は合宿前にzoomで伝えて貰いました。
ここまで家族で頑張って来たので、妻とも話をしてその形にさせていただき、サイモンHCから『メンバーに入ったよ』というのを一緒に聞いた時はとても嬉しかったです。喜びを分かち合うことが出来ました。」

―メンバーに入る自信はありましたか？
「5月のドイツの大会で足を怪我してしまい、その瞬間は『やってしまった』という不安が大きかったです。その後D-Rocksのメディカルの方々や船橋整形外科の先生・トレーナーの皆さんにケアをしていただけて、元々大会にはギリギリという所を1か月という短い期間で復帰させていただきました。復帰後の状態も良く出来ているので、今回メンバーに選ばれたのは本当にスタッフの皆さんのおかげだと感謝しています。ありがとうございます。」

―夢の舞台に立つのはどんな気持ちですか？
「小さい頃からテレビで見ていた舞台で、ラグビーだけでなく様々な競技を見て憧れや夢を抱き、その凄さを感じていました。そんな舞台に自分が立てる事はまだあまり実感が無いですが、気負い過ぎずにこれまでの大会通り自分のプレーをしていきたいと思っています。」

―地元熊本の皆さんも喜ばれているのはないですか？
「そうですね。怪我があったのでひやひやされていたと思いますが、なんとかメンバーに入って良い報告が出来る事を嬉しく思います。」

―兄の石田一貴さん（三菱重工相模原ダイナボアーズ所属）も今15人制の代表で頑張っていますが、何か言葉は交わしましたか？
「兄とは特別言葉のやりとりはしていませんが、常にお互い意識し合っています。それぞれに高みを目指しているので、自分は7人制代表のキャリアを頑張って、兄は15人制のほうで頑張っている姿を見て刺激になっています。」

―セブンズ代表に選ばれてからこの3年間、様々な国に遠征に行かれたと思いますが、思い出に残っている場所などはありますか？
「ロンドンのトゥイッケナムという大きなスタジアムで試合が出来た事は本当に良い経験でした。観客も何万人と入っていて、声援も大きくて、レフリーの笛が聞こえなかったり。そんな経験をしたのは初めてだったので、セブンズをやっていて良かったと思いました。
個人的に一番好きだった国はドイツとスペインですね。時間がゆっくりしていて、みんな昼からお酒を飲んでいて、観光していても楽しかったです。
今回の大会もラグビー以外に様々な競技のファンが居て、みんなが盛り上がっていると思うので、そんな中で出来るのは気持ちも昂りますしとても楽しみですね。」

―遠征の際はオフの時間もあるんですね
「そうですね。コロナの期間は観光が出来ませんでしたが、コロナが明けてからはオフの時間に観光が出来ました。網走合宿でもチームアクティビティでカヌーを漕いだり、そうやってチームで楽しみを共有する事で結束が深まります。サイモンHCのやり方はとても好きですね。」

―国内外への遠征が多く、移動が大変ではなかったですか？
「最初の頃は初めて行く場所でわくわくが勝っていましたが、行き慣れてくると移動が大変だなというのはありました（笑）国内でやれたらという気持ちもありましたね（笑）」

―そんな中でD-Rocksの入替戦は見ていましたか？
「もちろんです。同期も出て頑張っていて、大きなプレッシャーの中逆転して勝って、チームみんなの努力が形に表れてとても良かったです。DIVISION1での戦いも楽しみですね。」

―同期の竹内柊平選手も15人制の代表で頑張っていますね
「TKとは前からずっと話していますし、TKに限らず同期の活躍は自分にとって本当に良い刺激になっています。それぞれ頑張って行きたいですね。」

―また一緒にプレーしたいという気持ちもありますか？
「そうですね。セブンズの特徴としてのスピードの強化はこの3年間でやって身に付いたので、いつか15人制に戻ってもそれは活かせるのではと思っています。」

―この3年間で1番嬉しかったことは何ですか？
「やっぱり大会出場を決めたアジア予選の決勝が人生の中で1番嬉しかった瞬間ですね。あの瞬間、これまでの努力が実った気がして自然と涙が出て来ました。初めての感覚でしたね。」

―逆に大変だったことは？
「セブンズは15人制と違って力の差で勝ち負けが決まらないというか、アジアの国の中でも負けないだろうと思っても負ける事もあるし、良い成績を残せなくて悔しかった思い出は沢山あります。勝ち続ける難しさを感じました。」

―セブンズの楽しさはどんな所にありますか？
「スピード感ですね。他の国にも陸上出身だったり様々なスピードスターが出て来るので、そういった部分やトライの取り合いのドキドキ感、バスケに近いような点の取り合いを見て貰いたいです。」

―最後に、夢の舞台に立つ意気込みを教えて下さい
「自分の強みであるスピードと、1vs1のステップだったりキックだったりを活かしつつ、トライゲッターとしてトライを取る姿を皆さんに見て頂きたいと思います。
怪我が完治してトレーニングもしっかり出来ているので、100％の準備をして本番で自分のベストを出せたらと思います。どうぞ応援よろしくお願いします！」

～選手プロフィール～
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石田 大河(いしだ たいが)
1997年生まれ、熊本県出身
九州学院高校/日本体育大学
2021年「アジアラグビーセブンズシリーズ　ドバイ大会」にて7人制日本代表デビュー
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