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【レポート】開幕前最後の試合はヨドコウ桜スタジアムで...(vsNTTドコモレッドハリケーンズ大阪)
冬本番の寒さが訪れた2022年12月3日(土)。初めてのビジターゲームであるNTTドコモレッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)との試合が大阪長居にあるヨドコウ桜スタジアムで行われた。毎年全国のNTTグループが保有するラグビーチームが集うNTT全国大会として、3年ぶりにNTTダービーが実現することとなる。
しかし、今回NTTグループ再編の影響もあり、新しいチーム同士の戦いだ。
ここ3戦好調の浦安D-Rocks(以下、浦安DR)がホームアドバンテージをもろともせず自慢の攻撃力を光らせるか、地元大阪でのホストアドバンテージを背に愚直にRH大阪が攻め込んでくるのか。
笛が鳴る前から非常に楽しみな一戦である。
浦安DRとしては、先日リリースされた通り12月9日に控えていたNECグリーンロケッツ東葛戦がなくなってしまったことにより、今日の試合が開幕まで最後のプレシーズンマッチとなる。
3戦の勢いそのままに勝利はもちろん、いい内容で勝つことを期待したい。
1500人を超える多くのお客様が声援を送る中、RH大阪ボールでキックオフ。
早速浦安DRのアタックが光る。
開始早々キックを選択せずに自陣から攻め込んでいく。
開始して約30秒経ったところ、WTBスルンガからCTB本郷、そしてFBフォラウ、CTBトゥアをパスをつなぎ、そのままトライラインまで独走する。
開始1分以内での先制トライ。ミスなく見事な連携を見せ、ノーホイッスルでの先制点となった。
SOブラックのキックも成功し7-0と、会心の出だしを見せた。
ただ、少し違和感も感じる。
今ままでの3戦がそうだったように前半はコンスタントな試合運びが多かったイメージだったが、ここまで綺麗トライできたことは初めてのことである。
このまま浮足立つことなく、地に足を付けて自分たちのラグビーを体現できればいいが、どことなく上手く行き過ぎた感じもする。
しかし、その後その予感は的中する。
マイボールで攻めてもボールが繋がらず、ハンドリングミスも多くなってきている印象である。
キックも上手く使いトライラインまで攻めてもボールを奪われてしまったり、その後も連携がうまくいっていないように見える。
マイボールラインアウトもサインを読まれているのか、中々クリーンにボールを出すことができない。
最初の勢いからは考えられないほどブレーキがかかっている。
先制点から約20分間マイボールの時間が多いにも関わらず得点に結びつくアタックができていない。
その状況を打破したのは、先週も大車輪の活躍を見せたFBフォラウだ。
RH大阪が高く上げたボールを得意の空中戦で競り勝ち、走り出すと、一歩、二歩と大きなストライドが赤い選手を置き去りにする。
相手選手が前に立ちはだかるが、冷静に内側にフォローしてきたHO金へパス。
そのまま約40m独走し、左隅にトライをした。難しい位置からのキックは不成功に終わり、12-0となる。
ここから調子を上げていきたい...が、ここからもミスが続く。
リスタート後RH大阪の連続攻撃にトライライン目前まで攻め込まれてしまう。
近場を攻めされ徐々に前進してくるRH大阪。ここはペナルティすることなく我慢していきたいところ。
しかし、その願いはかなわずトライを許してしまう。
中央付近でトライされたこともあり、コンバージョンキックも成功し12-7と5点差まで詰められてしまう。
その後もペナルティで相手ボールになる場面も多く見えるが、言ったいかなる攻めを見せた時の浦安DRは本当に推進力がある。
前半29分、CTB本郷の負傷交代で出場したCTBトネがRH大阪のディフェンスライン裏へ力強く前進。
その後もSH飯沼のテンポいい球出しに1人1人が前に出だす。
最終的には、ラックサイドを再度CTBトネが持ち込み、相手選手のディフェンスをもろともせずトライをする。
キックは失敗に終わるが、17-7と再度点差を離す。
さらにリスタートとなった前半32分。
試合開始早々と同様にキックを選択せず、自陣から勝負を仕掛ける。
CTBトゥアがキレとパワーでRH大阪のディフェンスを切り裂く。
相手が崩れたことを逃さないSH飯沼。いいテンポでパスアウトし、SOブラックが大きく開いているギャップ早く鋭いパス。そこにCTBトネが良いスピードで走りこむ。
再度大きくゲインし、最後はWTB安田へオフロードパス。
試合開始早々同様に気持ちがいいほどの連係プレーによるトライだ。
中央付近のコンバージョンキックも難なく成功し24-7とさらに点差を離す。
この目にも止まらぬスピーディーなラグビー。そしてブレイクダウンでの力強さ。個々の力量。
ここまでの3戦を見ても、このアタック力は浦安DRの象徴になりうるものがある。
試合終了間際でも、その片鱗が垣間見れる。
ハーフウェア付近でのRH大阪ボールのラインアウト。
相手がミスをし、こぼれたボールをLOエラスマスが素早く反応。
そこから大きな体躯を活かしたランニングは勢い止まらず、タックルされるも相手選手を引きずりながらそのままインゴールへダイブ。
キックは失敗に終わるが、29-7といい流れで前半終了の笛が鳴る。
前半途中は一度停滞があったり、セットプレーが安定しない、ミスが多いなど課題は多く見つかったが、少しずつ歯車が会いだした印象を受ける。
後半はその歯車がさらに嚙み合い、前半30分から魅せたようなアタックを期待したい。
後半は浦安DRボールでリスタート。
後半開始早々、前半に見せたいいアタックを仕掛けていくが、その最中にペナルティをもらう。
そしてその後も何度もミスを犯してしまい自陣に釘付けになってしまう。
自陣でのペナルティが目立つ浦安DR。
後半開始し、前半の停滞していた時間帯と同じような展開となっており、自分たちの規律の乱れからピンチを招いている状況が続く。
そして後半47分。RH大阪ボールのラインアウトからモールを組まれ、押し込まれトライを許してしまう。
キックも成功し、29-14と徐々に点差が詰められていく。
悪い流れになっているのが、あからさまにわかる。
攻めはミスをしボールを奪られ、守れば我慢できずペナルティ。セットプレーも合っていなくかなり苦しむ時間帯が続く。
さらにLO小島のシンビンにより10分間14人となり、状況としては最悪な状況とも言える流れである。
後半47分から約20分間以上スコアが動かず、苦しい時間が続く。
この20分間はRH大阪が終始ミス少なく攻め続けている印象を受け、浦安DR陣地でのプレータイムが長く続く。
そしてついに後半70分のタイミングで、RH大阪ボールのペナルティから相手選手の力強いアタックを止めきれずトライを許してしまう。
キックは失敗に終わるが、29-19と流れはRH大阪にあるという展開だ。
その後も浦安DRは攻めるが、中々トライラインを割ることができない。
後半80分の時間帯になっても浦安DRは得点することができない。
試合終了間際に後半出場したNo.8アレキサンダーが左隅にトライするが、後半40分通して自分たちのラグビーができていないように伺える。
最終スコアは34-19となるが点差ほどの差はないように感じるほど、ミスが目立つ試合展開となった。
プレシーズンマッチ最終戦は勝利したものの、歯がゆい試合内容になった。
しかし、逆にこのタイミングで歯車が合わなかったことを経験できたのはよかったことではないかと感じる。
開幕戦は2週間後12月17日(土)。対戦相手は世界的なプレーヤーが多く在籍する三重ホンダヒート。そして本日同様ビジターゲームだ。
D2優勝するためにも、この一戦は浦安DRにとって大事な、そして大きな一歩となる。
その一歩目こそが今シーズンが終わる約半年後の未来を照らすと言っても過言ではない。
新チーム発足して1年目のシーズン。その船出の日は近い。