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【レポート】白星で飾った浦安D-Rocksの初陣-フレンドシップマッチ ウェスタン・フォース第一戦-
2022年11月6日(日)。気持ちのいい秋晴れに恵まれた今日、ついに浦安D-Rocks(以下、浦安DR)の初陣を迎える。
対戦相手はスーパーラグビーに参加するオーストラリアのラグビーチーム、ウェスタン・フォース(以下、フォース)である。
約1,000名のファンが浦安Dパークを訪れ、新しくできたチームの産声を楽しみにしている様子が見て取れる。
新しいレプリカジャージを身に纏い、どんなチームになるのか、どんなラグビーをするのか。そんな心の声が聞こえてくるようだ。
ウォーミングアップをしている選手たちも心なしか、緊張ではなく、早くこの新しいチームでラグビーがしたい。そんなわくわくした表情が伺える。
この日はファンクラブ特典でもある特別イベントを実施。
なんと選手入場の花道をファンの方々が作ることができ、試合前の緊張感・高揚感を直に感じることができた。
最前列にいた少年も自分自身がチームの一員であるように緊張していた。
一枚岩となって全員で闘う。改めて、チーム名に込められた想いが少年を通し感じ取れた瞬間であった。
選手が入場し、全員が今か今かと言わんばかりにホイッスルの音を心待ちにしている。
13時ジャスト。浦安DRの本当に意味でもスタートとなる音が浦安Dパークに鳴り響く。
試合開始から両チーム激しく体をぶつけ合う。
浦安DRの連続攻撃でフェーズを重ね、徐々に前進していく。
開始早々、フィジカルで負けていないどころかところどころのブレイクダウンでは優位に立っていると思われる展開を見せる。
このままフェーズを重ねれば確実に先制点は取れると思っていた矢先、SOブラックのパスがインターセプトされてしまい、そのままトライを献上。
キックも成功し、0-7となる。
攻めていただけにアンラッキーな展開となってしまったが、ピッチ上の選手だけでなく控えやノンゲームメンバーの表情は明るい。
まだ開始して間もない時間であり、チャレンジしていた結果だったためネガティブな印象は受けていないようだ。
前半10分、ファーストスクラムを8人全員で押し込みいい形でバックスへ展開。
WTB石井がフォースの裏に蹴ったボールを、CTBフォラウが抑え込み浦安DRとしての初得点を獲得する。
フォワードが良いスクラムで良いボールを出し、それをバックスが取り切る。まさに一枚岩の如く、浦安DRとしての初得点は最高の形で取り切ることができた。難しい角度ではあったが、SOブラックのコンバージョンキックも成功し7-7と試合を振り出しに戻す。
その後も攻撃の手は緩めない。
バックスのラインブレイク、フォワードのモール、ブラックのキックパス等、多彩な攻撃を展開し試合を優位に進める浦安DR。
ディフェンスでも全員が体を張りフォースの前進を止め、今季FLからHOへ転向した金がFL並みの運動量を披露しジャッカルを決める。
攻守共にバランスの取れたいいチームであることが、前半半ばの時点でわかる。
そして前半27分。
激しいプレッシャーをかけミスを誘い、こぼれたボールをWTB石井が拾う。
そのままインゴールまで走り切り追加得点を得る。
キックはポールに当たってしまい不成功に終わるが、12-7と点差をつけていく。
フォースも鋭いアタックを仕掛けていくが、浦安DRの粘り強いディフェンスが勝るシーンが多く感じる。
自陣5m付近で連続攻撃を受けるなどピンチの場面も少なからずあるが、最後にはボールを獲得し自陣を脱出する場面をよく目にする。
キャプテンであるSH飯沼が良い声掛けし、規律ある整備されたディフェンスができている証拠だろう。
そう思わせるほどピンチではあるものの、どこか安心して見ることができる。
そして、前半終了間際である40分。
敵陣5mのところでマイボールラインアウトのチャンスを得る。
ここはフォワードとしてこだわりを持ちたいところである。
綺麗に形成されたモールは、相手ディフェンスをもろともせずインゴールへ侵入しトライを得る。
8人全員の雄叫びがあがる。
コンバージョンキックも成功し19-7と最高の形で前半を終えることとなった。
後半残り40分でフォースの巻き返しがあるのか、浦安DRがさらに点差をつけるのか非常に楽しみである。
フォースボールで後半がスタート。
前半の勢いのまま攻めていくはずが、後半開始直後にフォースのアタックを止めることができずトライを献上してしまう。
キックも成功し、19-14と1トライ差となってしまう。
心なしか、フォースのアタックのテンポが上がったようにも見える。
ハーフタイムで前半の修正されたところを見ると、さすがスーパーラグビーに参加するチームと言える。
しかし、浦安DRも前半の勢いは止まっていない。
後半45分、敵陣5mにてラインアウトのチャンス。
前半終了間際同様にラインアウトモールにてトライを獲得。
SHレイドローのキックも成功し26-14となる。
このまま点差を広げながら初戦の勝利を飾りたい。
しかし、ここから約15分間得点が動くことはない。
激しい攻防、キックによる陣地の獲得、キックパスなど前半よりボールが前後左右に展開され、均衡した状況が続く。
そして、その均衡が破られたのは後半60分ごろである。
自陣10m付近フォースボールのラインアウトからバックスへ展開し、そのままラインブレイクされトライを献上してしまう。
中央付近からのコンバージョンキックも成功し、26-21と再度1トライ差まで詰められてしまう。
立て続けに後半66分にはハーフウェイライン付近フォースボールのラインアウトから、浦安DRのディフェンスライン裏にキックを通されてしまう。
こぼれたボールをうまくつながれてしまい追加点を許してしまう。
キックも成功し、26-28とリードされてしまう。
残り14分。まだ時間ある。全員で1トライまでつなげていきたい。
観戦しているファンの方々からも「もう1トライして勝利で終わってほしい」。そんな声が聞こえてくるような試合展開である。
そして期待に応えるように浦安DRの反撃が始まる。
後半70分、SO松尾の50-22(フィフティ・トゥエンティトゥ)が成功し、敵陣5m付近でマイボールラインアウトの機会を得る。
モールは組まずにFL坂からCTBトネへパスをつなぐ。
CTBトネが前進しラックを形成した後、WTBマフーザが鋭いステップからラインブレイクしトライ。
SHレイドローのキックも成功し逆転。33-28。
試合も残り約10分。
その後はトライまでは至らなかったが、激しい攻防も見せ、敵陣深くまで攻め込み相手のミスを誘う形で試合終了のホイッスルが鳴った。
新チーム初めての試合を見事勝利で終わることができた。
初の対外試合、そしてスーパーラグビーのチームに勝利できたことは、今日という日を浦安Dパークで体感したすべての人たちの胸に刻まれたことであろう。
晴れ晴れとした選手の表情、そしてファンの方々の割れんばかりの拍手と歓声がそれを物語っている。
このチームは強い。
そう誰もが思う形で浦安DRのスタートは幕を閉じた。