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【試合の見どころ】残留へのチャレンジ(2024-25シーズン 入替戦 第1戦 豊田自動織機シャトルズ愛知戦)
残留へのチャレンジ
(2024-25シーズン 入替戦 第1戦 豊田自動織機シャトルズ愛知戦)
◇NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25シーズン
◇浦安DR×S愛知(2025年5月24日@愛知・ウェーブスタジアム刈谷)
プロップ竹内柊平。
パワフルなスクラムワークと、元ナンバーエイトの突進力。トライアウトから日本代表へと駆け上がったそのストーリーは、競技を超えて多くの人に活力を与える。
2024年は日本代表として11月の欧州ツアーなどに参加。帰国後は、リーグ開幕戦から16試合連続で出場。3月1日の第10節トヨタヴェルブリッツ戦ではリーグ通算50キャップに到達した。
そんな日本代表キャッパーの27歳は、来たる運命の入替戦第1戦、ノンメンバー組『RockStars』としてピッチ外から見守る。
ここまでの浦安D-Rocks(浦安DR)は、チーム初のD1(ディビジョン1)のリーグ戦で3勝15敗。厳しいレッスンを受けてきたが、同時に一歩ずつ前進もしてきた。
「チームは成長していると思います。(ディビジョン2にいた)去年よりもフィジカルレベルがまったく違っていて、そこに慣れてきた部分は絶対にあります」(竹内)
2週間前の最終節(第18節)で、浦安DRは三菱重工相模原ダイナボアーズ(相模原DB)から今季3勝目(34-21)を奪った。
これまでの15敗の中には、集中力を欠いた「ソフトな時間帯」が存在していた。その隙を突かれ、連打を浴びて負けてしまう――。そんな苦い経験があった。
しかし、相模原DB戦は、そうした過去の敗戦を「糧」に変えることができた試合だった。
「(相模原DB戦は)セットプレーで優位に立って、相手の嫌なことをやり続けることができた80分でした。いつも緩んでしまう時間帯でも緩みませんでした」(竹内)
そんな成長をぶつける集大成が、今週末から始まるD1/D2入替戦だ。
相手はD2を初制覇した豊田自動織機シャトルズ愛知(S愛知)。ホスト&ビジターの2試合で相手が上回った場合、浦安DRはふたたびD2に降格となる。
竹内は最大級の警戒をしている。
D2時代の昨季第4節。千葉・ゼットエーオリプリスタジアムでS愛知と対戦したが、雷により試合中止に(試合は47分で成立)。そのスコアは10-7の大接戦だった。
「中止になったあの試合はすごく危なかったです。フッカーの琉士(藤村)が怪我をしてリザーブのフッカー(金正奎)も怪我して、急きょ僕がフッカーをしました」
その後の昨季第8節でも5点差(19-14)の辛勝だった。
「シャトルズさん(S愛知)は勢いに乗ったらディビジョン1の中堅くらいの実力があります。すごくフィジカルなチームで、良いランナーがたくさんいます。セットプレーにも自信を持っています」
「(今週出場する共同キャプテンの)ジェームズ・ガスケル選手はすごく良い選手です。頭が良くて、敵にいたら嫌だし、味方にいたら助かるだろうなというロックです。あとはスタンドオフのフレディー・バーンス選手のキックは注意です。エリアの取り合いでやられるときつくなります」(竹内)
言葉に力がこもる、理由がある。
竹内は2季前の入替戦(対花園近鉄ライナーズ)で、悔し涙を流した一人だ。「みんな勝てると思ってました」(竹内)。「勝てるだろう」の空気が一因となった痛恨のD2残留。同じ轍を踏んではいけない。
「セットプレーで崩して、良いランナー走らせて、相手の弱いところを突く。そんなプレーをやりたいですね」(竹内)
竹内は活きの良い若手への期待が大きい。
「ウチは若手もめちゃくちゃ良いです。リクルーターの萩さん(萩谷昌之リクルートマネージャー)たちが凄いんだと思います。壮馬(WTB松本)は、(怪我がなければ)絶対にジャパンに呼ばれていたと思います」
「海星(アーリーエントリーのPR梅田)もすごく良い。スクラムの強さは日本で指折りなんじゃないですか。バックローに哲大(繁松)、慎(武内)、大士(小嶋)、柚樹(佐々木)が並んでいることが、まず凄いです」(竹内)
この中で今週の大一番に出場するのはLO佐々木だ。竹内が「磨けばもっと光ると思います」と絶賛するメンバー最年少の22歳だ。
ただ今週の注目選手について問うと、竹内はこう即答した。
「坂(ばん)です」
リザーブから今季初出場を狙う坂和樹。今季限りでのチーム退団(社業専念)が公表されている"同期"だ。
「同期ですし、今シーズンはずっと出ていませんでした。アイツは僕の代を代表する最強のナンバーエイトでした。それがプロップにコンバートして、あのレベルでスクラムを組めて、フィールドプレーの質を落とさずにプレーできるのは、並大抵の努力じゃない。それは元ナンバーエイトの僕が一番よく分かっています」
竹内はいろんな感情を噛みしめるように言った。
「だから、坂に期待しています」
さらには、入替戦という舞台上でチームデビューを飾るリザーブHO濱野隼也もいる。土曜日の午後は雨の予報もある。雨中戦となればスクラムなどのセットピースが鍵を握る可能性は十分にある。
やっと掴んだD1の座を明け渡すわけにはいかない。今季もついにラスト2試合。
浦安D-RocksのD1残留へのチャレンジが始まる。
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