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【試合の見どころ】『7』の男たち(2024-25シーズン第9節 東京サントリーサンゴリアス戦)
『7』の男たち
(2024-25シーズン第9節 東京サントリーサンゴリアス戦)
◇NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25シーズン
◇浦安DR×東京SG(2025年2月23日@山梨・JITリサイクルインク スタジアム)
浦安D-Rocksの記念すべきディビジョン1(D1)開幕戦で、チーム最高の守備職人が着る「背番号7」を着たプレイヤーは誰か。
その答えは大椙慎也(おおすぎ・しんや)だ。
試合では、多くの人がボールの行方を視線で追う。しかし、そのボールは大椙のような仕事人がいなければ、ラックからスムースに供給されることはない。
大椙は187センチ100キロの体躯でタックルを繰り返し、ラックに殺到する相手を排除する。人びとがボールの行方を追っている時、大椙は素早く起き上がり、ふたたびポジショニングへと走る。
その献身性がチーム屈指だからこそ、開幕から2試合連続で背番号7を着ることができたのだろう。タレント豊富な浦安D-Rocks、しかも海外出身選手がひしめく激戦区のバックローで日本出身の32歳がスタメン出場する――。並外れた実力、努力がなければ実現し得ないことだ。
「昔はボールを持つのが好きだったんですが、今はタックルとブレイクダウンのことしか考えてないです。浦安D-Rocksはアタックが得意な選手が多いので任せてます」
大椙のいう「昔」とは、玄海ジュニアラグビークラブ(福岡・宗像市)で、同級生の元日本代表ウイング・福岡堅樹さんらと走り回っていた頃のことだろうか。それとも、高校日本代表として活躍した國學院久我山時代、あるいはU20代表にも選ばれた明治大学時代だろうか。
世代屈指の才能として年代別代表に名を連ねてきた大椙も、30代に入り、コンディション調整が欠かせなくなってきた。今季は開幕2試合に先発後、調整期間を経て2月に復帰。しかし、まだ本調子ではないというのが本人の自己評価だ。
「浦安D-Rocksは若い選手がどんどん出るべきだと思います」
大椙は闘志を内に秘めつつ、冗談めかしてそう言った。ベテランの余裕もあるのだろう。だが本心の側面もある。ノンメンバーとしてピッチ外から見つめる今週末、大いに期待している"若き仕事人"がいるからだ。
「同じポジションの(小嶋)大士は頑張ってほしいですね。アタックも強いです。めっちゃ良いですし、めっちゃ努力しているので」
今季出場の3試合はすべて先発。山梨学院大学出身のルーキー小嶋は、今週日曜、出身地である山梨に浦安D-Rocksの7番として凱旋する。共に大学1年時からレギュラーだった大学同期、WTB ケレブ・カヴバティもスタメンとなる。山梨学院大出身ルーキー2名の先発&凱旋は快挙といってよいだろう。
大椙が推す東京サントリーサンゴリアス戦の注目選手は、もう一人いる。こちらも自分と同じ"仕事人"タイプであり、ピッチの内外で熱いエナジーを発する男だ。
「もう一人は、やっぱり金正奎でしょう」
大椙の一学年上、日本代表キャップを持つフッカーがリザーブから今季初出場に備える。フッカー転向以前は背番号7が似合う果敢なフランカーだった。
「今シーズン初登場ですからね。RockStars(ノンメンバー組の愛称)でもキャプテンのような感じで引っ張ってくれていました。元フランカーなのでスティール(ジャッカル)もタックルもできます」
フォワードの大椙にとって、モールの攻防は常に気になるポイントだ。前節リコーブラックラムズ東京戦でも前半モールは効果的だった。
「先週の試合(リコーブラックラムズ東京戦)は前半フォワードが勝っていたと思います。モールでも2本トライが獲れましたし。ただ後半はペナルティなどで流れを持っていかれましたね。風下の影響もあったと思います。でも今週は、またフォワードがモールでトライを獲ってくれると思います」
モール最後尾についたフッカーがトライラインを越えるイメージはある。ただ相手は、リーグ開幕年から3季連続で4強プレーオフに進出している強豪、サンゴリアスだ。
「相手はアタッキングマインドが強いチーム。そこで引いてしまったら、相手の思い通りになってしまう。まずは、一歩も引かないこと。それが大事だと思います」
派手なプレーより、まず痛い仕事を確実にこなすこと。仕事人たちの働きが、勝敗を左右する可能性はある。
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