NEWSニュース
【マッチレポート】アサヒスーパードライパシフィックネーションズカップ2024 日本代表vsサモア代表
◇アサヒスーパードライパシフィックネーションズカップ2024 準決勝
◇日本代表 49-27 サモア代表(前半 28-13 / 後半 21-14 @秩父宮ラグビー場)
「いやぁ...疲れました。」
ミックスゾーンに現れた竹内は開口一番こう話した。しかし、その言葉とは裏腹に
「出しきりました。」
そう聞こえてくるような爽やかな表情を覗かせた。
「とにかく気合い入っていました。死ぬ気で頭突っ込んでやろうと思っていました。」と竹内は続けた。
スターティングメンバーということ、3番である意味を体現したい。
そう意気込み挑んだパシフィックネーションズカップの準決勝。
ピッチ上で躍動する竹内は、まさにその言葉通りの動きを見せた。
開始早々から日本代表ペースで試合が展開される中、強みとするボールキャリーが光る。
SH藤原忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)からもらったボールを分厚いサモア代表の壁をこじ開けんとばかりに前進。
ここで日本代表のモメンタム(勢い)を生み出し、その後のCTBディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)のトライに繋がったと言っても過言ではない。
もう1つのトライとなる前半15分のシーンでも、トライの前の起点として楔となるボールキャリーを見せる。
「自分がスタメンで出場するということは、スクラムで勝ちきるというのもそうだけど、ボールキャリーやフィジカルの部分を任せてもらっていると感じていました。」
ブレイクダウンでは接点の部分についてはもちろんのこと、寄りの速さが特に光ったように感じた。
「ブレイクダウンはD-Rocksでプレーしていても課題に感じていました。代表の中でもすごく言われ、自分自身でもフォーカスしているところなので、すごく意識しています。」
スクラムやラインアウトというFWを代表するセットプレーに力を入れているにも関わらず、それが終わるやいなや必ず誰よりも早く動こうとするその意識が垣間見られた。
今回の試合ではスクラムでもペナルティはゼロ。
ファーストスクラムでは、FW全員に声がけし大事な局面で鼓舞する姿も見えた。
試合時間残り20分のところで交代となってしまうが、確実に日本代表の中心選手の一人に成長していると言えるような活躍ぶりであった。
その後、日本代表は72分に1つトライを取られてしまうが、終了間際に途中から入ったFB髙橋汰地(トヨタヴェルブリッツ)がダメ押しのトライ。
結果的には49-27と、格上のサモア代表相手に危なげなく決勝進出を決めた。
試合毎進化をとげるエディジャパン。決戦は大阪の地。フィジー代表を迎え撃つ。
【エディ・ジョーンズHC 記者会見コメント】
我々として、とてもステップアップになる試合だったと思う。これまで対戦していたカナダ代表やアメリカ代表よりはサモア代表は格上のチームとなるが、試合の序盤としてはとてもいい形でスタートすることができた。
向かい風という厳しいコンディションの中、とても良いプレーができていたと感じている。
次のフィジー代表戦に向けた課題としてはディフェンスだと思う。特にラック周りとキックチェイスの部分については、今週のキーポイントとして取り組んでいきたい。
勝利したことに関しては非常にいいと思うが、フィジー代表はとても質の高い対戦相手となるし、いい準備をして次の試合に挑んでいきたいと思う。
【3番 竹内柊平 選手コメント】
-ボールキャリーが目立ったと感じました。自分自身はどう感じましたか?
自分がスターティングメンバーで出るというのは、そういった部分が役割だったので、もちろんスクラムで相手に勝ち切ることも大事で意識していたが、ボールキャリーやスクラムの部分を任されていると感じていた。あとは走り勝つこと、ここは譲れないという想いだった。
-今回の試合のセットプレーはどう評価できましたか?
すごく良かった。テストマッチの中で一番良かった。相手のペナルティは誘えなかったが、100%で終えることができた。
レフリーからの印象を良くしたので、実は前半は意図的に押していなかった。
後半、疲労で疲れてくるのはわかっていたから、前半時点ではこちらからは押さずに、しっかりと組みスタミナを奪い、後半から攻めていった。
自分が交代した60分以降でペナルティを取れたことは、前半からの印象づくりと、全員で意識を合わせたことが成果となったと思う。
-ブレイクダウンの寄りが早いと感じました。これは意識していることでしょうか?
すごく意識して頑張っているところではある。ブレイクダウンは自分自身の課題と認識していて、代表活動においてもコーチから強く言われているところ。
だからこそ絶対にターンオーバーされないように、一番最初に寄ろうという意識はある。
1つターンオーバーされた場面もあったので、そこは修正して次につなげたい。
-決勝はさらに格上のフィジー代表ですが、自分自身・チーム共にどこにフォーカスしていきたいですか?
チームとしてはスクラムの部分で、今日レフリーともいいトークが出来ていい進め方ができた。フィジー代表はサモア代表よりスクラムも強いし、もっと調子をあげてくるチームなので、自分たちがコネクトしないと勝てない相手だと思う。
なので、前列3人もだし、8人全員でコネクトしてあげていきたい。
個人としては、フィジカルとフィットネスの部分では絶対に負けられないと思っている。相手をドミネートして、チームに元気を与えられるように、声出してプレーで見せて士気をあげていきたい。