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2024.09.08
ゲーム

【マッチレポート】アサヒスーパードライパシフィックネーションズカップ2024 日本代表vsアメリカ代表

アサヒスーパードライパシフィックネーションズカップ2024 プールB
◇日本代表 41-24 アメリカ代表(前半 24-10 / 後半 17-10 @熊谷スポーツ文化公園ラグビー場)

本格的な暑さからは解放されたが、まだ残暑が残る97日。
2019年に日本で開催されたRWCでも使用された熊谷スポーツ文化公園ラグビー場でアサヒスーパードライパシフィックネーションズカップ2024 アメリカ代表戦が開催された。
当日はブレイブブロッサムズ(日本代表の愛称)のジャージをまとった10,677人が会場へ詰めかけ、場外では多くのキッチンカーが盛況しており、誰もが2か月ぶりに国内で行われる日本代表の試合を心待ちにしている様子だった。

キックオフ直後、相手ミスから獲得した攻撃のチャンスを、流れるようなパスワークでラインブレイクし、最後はWTBマロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ)がトライをする...が、TMOの結果タッチラインを割っていたためにノートライの判定。
しかし、その後も攻撃の手を緩めない日本代表は前半4分に中央付近でペナルティを獲得し、ペナルティキックを成功させ3-0と先制点を獲得する。

その後、5分以上均衡した状況が続き互いに攻めあぐねる状況が続くが、決して自陣22m以内に入らせない日本代表のディフェンスは統率された素晴らしいものに見えた。
誰もが1人で判断することなく我慢し続けた結果、前半12分にはペナルティキックから敵陣深くに侵入。一時は相手にボールを奪われるものの、ディフェンスで果敢に前に出続けた結果マイボールラインアウトを獲得。
前半14分、SO李承信(コベルコ神戸スティーラーズ)のキックパスを、CTBディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)が見事キャッチし、CTBニコラス・マクカラン(トヨタヴェルブリッツ)へ繋ぎ、本日初トライとなった。キックも成功し10-0とリードを広げる。

リスタート後は、自陣でミスを犯してしまいペナルティゴールを献上してしまう。
しかし、日本の猛攻は止まらない。

前半21分、日本代表は敵陣深くでペナルティを獲得すると、SH藤原忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)がこれぞ超速ラグビーと言える素早いタップキックからの連続攻撃。
最後はラックサイドをLOサナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ)が押し込みトライの判定に。キックも決め17-3と得点を伸ばす。

前半30分にアメリカ代表にトライされてしまうが、その7分後には前半21分と同様にペナルティから素早く仕掛け、右隅に途中で入ったHO原田衛(東芝ブレイブルーパス東京)がトライに成功。
難しい位置のキックも成功させ、24-10とリードを広げる。

湿度が高い中、ハンドリングミスが目立つ場面も多くあるが、40分通して日本代表が優勢という印象である。
後半も日本代表の勢いは止まらない。

後半4分に自陣22m付近でボールをもらったCTBディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)がストライドの大きいランで4人を抜き去り、約70mの独走トライを魅せる。
中央のキックも難なく決め31-10と後半開始早々から得点を伸ばしていく。

ここで浦安D-Rocksを代表する竹内柊平の登場だ。
会場のビジョンには竹内の引き締まった表情が映し出され、名前をコールされると割れんばかりの拍手が巻き起こる。

後半25分には、相手ボールのスクラムに対して仕掛けペナルティを獲得。竹内の咆哮が熊谷に木霊する。

それはチームの勢いとなり、ラインアウトから後半登場した立川理道(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)がラインブレイク。CTBディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)へ繋ぎ、WTBマロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ)へオフロードパス。そのまま無人のトライラインへ飛び込みトライ。
後半はアメリカ代表ペースとなる時間が多く、連続でトライを献上していたこともあり、一時は不穏な空気が漂っていたが、竹内がそれを払拭するきっかけとなったと言っても過言ではないトライだった。

その後は互いにスコアはなく、共に硬いディフェンスが光る展開のまま、試合終了となる。

プール戦2戦とも勝利した日本代表は1位通過となり、準決勝はプールA2位であるサモア代表を迎え撃つこととなる。
RWC2023では、28-22と勝利している相手ではあるが、世界ランキングも1つ上の強者であることは間違いない。
今まで以上のフィジカルバトルが想定されるが、ブレイクダウンでの攻防はもちろんのこと、持ち前のスピードとスキルで圧倒することを期待したい。

【エディ・ジョーンズHC 記者会見コメント】

アメリカ代表は日本代表と同じくとっても若いチームであり、非常に伸びているチームである。
前回のRWCでは出場できなかったが、今のヘッドコーチがいい形でチームをまとめ、とてもいい練習を取り組んでいることが戦っていても手に取るように分かった。
日本代表としては、22勝し望んだ形でPCNを勝ち進んでいる。もちろん修正しなければならないことはあり、課題も山積みではあるが、今回の試合に関してはSH藤原忍、SO李承信がとてもいいプレーをしており非常に良かった。
次回の準決勝、サモア代表との戦いも非常に楽しみにしている。

【18番 竹内柊平 選手コメント】

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ー今日の総括の総括をお願いします。

チームとしては練習してきたことを出すことができたが課題が残ることもあった。
カナダ代表・アメリカ代表についてはフィジカルという部分を意識して取り組んだが、今後のサモア代表・フィジー代表はよりフィジカルが強いので、改めて課題を修正して次の試合に臨みたい。
フィジカルの部分でいえば自分の得意な部分ではあるから強みを生かしていきたいし、スクラムの部分では一貫性という部分を意識していきたい。
今日はいいタイミングでペナルティが取れたことは収穫になったが、コラプシングと取られた部分もあったので、一貫性を意識して今後の試合に臨みたい。

ースクラムを押し切ってペナルティを獲得したり、逆にペナルティを取られてしまったりもあったが、要因などありますか?

マインドセットが要因であると考える。国際試合を通して学びになったことは、日本特有の低さを保ったまま100%でスクラムを組むとミスにつながることが分かった。
日本の武器でもある低さを保ちながら7080%の力で組み、その後押し切ることで良いスクラムが組めていると実感している。
なので、改めて自分のスクラムを見つめて、フォーカスする部分と気持ちを落ち着かせる部分に区別をつけて、いいスクラムを組んでいきたい。

ー18番としての役目は何を与えられていますか?

後半にスクラムで勢いをつける役目を与えられている。
入りはそういった役目を全うできたが、途中でもペナルティがあったので、次の試合はもっと強みも活かして役目を果たしたい。

ー地元宮崎での合宿はどうでしたか?

地元での合宿ということもあり、充実した日々を過ごせた。
公開練習の日にはファンの方々も来ていただき、本当に励みになり感謝している。

ー最後にファンの皆さまへ一言お願いします。

いつも応援ありがとうございます。応援してくれている方々を見て自分も元気が出ますし、自分がピッチで頑張る意義も皆さんの応援のお返しなので、その応援に負けないようにもっともっと努力して、自分のプレーの精度をあげて、これからもファイトし続けます。引き続き、よろしくお願いします。

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