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【マッチレポート】リポビタンDチャレンジカップ2024 日本代表vsイタリア代表
全国各地で梅雨明け宣言がされた7月21日。「アズーリ」の愛称で知られるイタリア代表との試合が札幌ドームで行われた。
まだラグビーでは馴染みの薄いドームでの試合に17,411名が集まった。
先週末、ジョージア代表に惜しくも2点差で負けてしまった日本代表はスターティングメンバーを6名変えて大事な一戦を迎える。
立ち上がりはジョージア代表戦とは違い少しゆっくりとした展開となった。
前半3分にイタリア代表がペナルティゴールを成功させ先制する。
日本代表も超速ラグビーを体現するかの如く、ラックサイド周辺で素早いピック&ゴーで前進していくが、分厚い青い壁が立ちはだかる。
一方イタリア代表は、キックで前進しては、パスでピッチを広く使う得意のスタイルで攻め込む。
そして約8分にはディフェンスの穴を付かれトライを献上。
その後も追加得点をされ、前半13分で17点のビハインドとなる。
日本代表も果敢に攻めていくが、小さなミスなどにより攻めあぐねるシーンが多くなる。
そんな中、前半27分に自陣でのイタリア代表ボールのラインアウトをターンオーバーし、一気にトライライン目前までに攻め込むことに成功。
イタリア代表にイエローカードが出たとことで数的有利にもなり、トライラインまであと一歩。
しかし、トライライン間際でボールを落としてしまいノッコンの判定となる。
あと一歩が遠い。
その後もペナルティから一気に自陣まで攻められてしまい、前半35分に更なる追加得点を許してしまった。
トライライン目前まで攻め込んだが故に、この被トライのダメージは大きい。
不穏な空気が漂う中、その雰囲気を払拭するビッグプレーが会場を沸かす。
前半終了のホーンが鳴った後、イタリア代表の猛攻を止め大きく外に展開。
12番サミソニ・トゥア(浦安D-Rocks)が前進し、内側から走り込んできた13番ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)にパスすると一気にスピードアップ。
3人を置き去りにし約60mを走りきり、日本代表のファーストトライとなった。
キックも成功し、7-24で前半終了となる。
後半も日本代表のペースは変わらない。
後半3分にはまたもや13番ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)が相手のパスをインターセプトして独走トライ。
キックも成功し14-24と点差を詰めていく。
イタリア代表もペナルティゴールを成功させ、点差を離そうとするが、日本代表ペースは変わらない。
細かいパスワーク、スピードののった縦への突破、そしてテンポの速い超速ラグビー。
イタリア代表の固い壁を少しずつ突破していく。
しかし、やはりあと一歩が遠いか、トライまでは結び付かない。
後半が始まり実に20分間は敵陣でプレーをしているにも関わらず、インターセプト後のトライはない。
逆に後半32分にスクラムからのミスを突かれトライされてしまう。
後半35分には8番ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)がトライラインを超えるもTMO判定の結果ノートライと判定。
その後、試合終了直前にもトライされてしまい、結果的には14-42と大きく点差が開いた。
エディ・ジョーンズ体制初の国内ツアーは白星なし(JAPANXVは含めず)で幕を下ろすこととなった。
今後控えるパシフィックネーションズカップ2024では白星はもちろんのこと、超速ラグビーに期待したい。
【エディ・ジョーンズHC 記者会見コメント】
まずはイタリアの勝利を称えたい。試合を行っていく中で、プレーも含め一貫性を持つということが何枚も上手だった。
我々としては上手くいったシーンは多かったが、自らのハンドリングエラーやラインアウトのミスでトライまで結びつかなかったと感じている。
生憎だが、これが我々の現状である。
正直、まだまだ課題は多いが、毎試合一歩ずつ前進できている。この一貫性こそが重要であると思っている。
まず、選手たちはテストマッチそのものに慣れること。そしてテストマッチで起こりえるシチュエーションに慣れていくこと、これが最重要課題と感じている。
例えばスクラムであれば、先週のジョージア代表とは違う体験をするといったことが大事である。
しかし、現状ではフィールドで解決策を見出すことができていない。
今回も自分たちが想定していなかったディフェンスをされたときに、どう対応するかを見出していくことに時間を要したことが敗因の1つ考える。
それでも選手たちは大きなスピリットと勇気を見せながら頑張ってくた。
後半のスタッツを見るとテリトリーは76%、ポゼッションは74%となっている。
今後の課題を見出しながらも、こういった選手の努力は称えたい。
【3番 竹内柊平 選手コメント】
今日のスクラムの感想をお願いします。
「相手のスクラムに対応しながらもいいスクラムが組めたが、後半からパックが変わりコネクションの部分でうまくいかないこともあり、プレッシャーを受けたと感じている。」
自身のアタックでうまくいかなかった場面もありましたが、イタリア代表が対応してきたからでしょうか?
「イタリアのディフェンスは良く、非常にプレッシャーを感じたが、ブレイクダウンの部分が要因の1つとも思っている。ブレイクダウンにスピードを出せず、ラックにテンポが出なかった。相手より低いキャリーをして、強いブレイクダウンをしていかないと今日みたいに決めきれない試合になってしまう。そこを修正して次のパシフィックネーションズに挑んでいきたい。」
イタリア代表は日本のスピードを落とすようなディフェンスをしてきたのでしょうか?
「このツアーでイングランド、マオリ・オールブラックス、ジョージアと対戦してきたが、一番ブレイクダウンにプレッシャーをかけてきたチームだと感じた。ブレイクダウンでしつこく足をかき続けてくるなど、あまり他チームには見られない場面があった。それが学びになったし、強化していかなければならないポイントともわかったので、よりハードワークしていきたい。」
このレベルの試合に出場し続けて、成長していると感じられるところを教えてください。
「すごく特別な体験をさせてもらっていると感じている。この当たり前じゃない感覚、ワールドクラスの相手とスクラムを組めている、隣も後ろもすごいパックでスクラムを組めていることが一番いい刺激になっている。フィールドプレーでも成長していると感じるが一番はスクラムの面でレベルアップしているなと感じている。」
代表での活動でリラックスしたり、メリハリをつけるためにしていることは何ですか?
「タイトヘッドの岡部 崇人さん(横浜キヤノンイーグルス)と為房 慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)と森山 飛翔(帝京大学)の4人でお風呂に行くことが多いが、それでリラックスできている。」
一旦国内は終了となります。パシフィックネーションズに向けて意気込みを教えてください。
「次は絶対に勝ちたい。今もハードだが、これからはよりハードになると思うので、それに向けてオフの期間、リフレッシュすることも大事だが、良い準備して臨んでいきたい。」
【12番 サミソニ・トゥア 選手コメント】
今日の総括とイタリア代表と戦ってみた印象をお願いします。
「すごく強かった。フィジカルが特に強かった。自分たちが練習してきたことを出していったが通用しなかったと感じた。結果は負けてしまい残念だけど、切り替えていい準備して次につなげていきたい。」
初招集から約1か月間の代表生活どうでしたか?
「ハードだったけど、すごく楽しかった。テストマッチも初めてだったし、代表の練習も含め毎日が学びになった。少しオフになるけどしっかりリフレッシュしてトレーニングもしてパシフィックネーションズに挑みたい。」
一旦国内は終了となります。パシフィックネーションズに向けて意気込みを教えてください。
「ファミリーと一緒に過ごしてリフレッシュして、トレーニングも毎日して、良い準備してこれからも頑張っていきたい。」