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2025-26シーズン 第1節「重たい空気をはね返した80分 ― 浦安D-Rocks開幕戦を制す」

曇天の下、冷え込みの厳しいゼットエーオリプリスタジアム。2025年12月13日(土)、浦安D-Rocks(以下、浦安DR)はホストゲームとして三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)を迎え、シーズン開幕戦に臨んだ。

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グラハム・ラウンツリーHC体制で迎える公式戦初戦となったこの一戦は、チームの現在地を示す重要な80分でもあった。

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昨季の開幕戦でも顔を合わせた両者。ともに「絶対に落とせない一戦」という空気がスタジアム全体を包み、サポーターの視線も自然と厳しさを帯びていた。

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試合は浦安DRのキックオフでスタート。

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立ち上がりから相模原DBにボールを動かされ、自陣に押し込まれる苦しい時間が続くが、浦安DRは連携の取れたディフェンスで粘り強く対応し、簡単にはトライを許さない。
しかし15分、相模原DBが蹴り上げたハイボールに競り負け、そのままトライを奪われる。

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ホストゲームの開幕戦として流れを掴みたい浦安DRにとって、重くのしかかる失点からのスタートとなった。

その後、浦安DRは敵陣での時間を増やし、何度もトライチャンスを作り出すが、細かいミスが続き得点には結びつかない。

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30分、ようやくゴール前で獲得したペナルティからキックを選択し、田村煕選手が冷静に決めた。
スコア3-7となり、粘り強く攻め続けた末に奪った貴重な得点となった。

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しかし34分、相模原DBにまたもキックからの再獲得を許し、大きく前進されてしまい、そのままトライを奪われ、3-14。

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流れが傾きかけたその直後のキックオフ。

繁松哲大選手が意地を見せてボールを味方に弾き返し、獲得したボールを大きく外に展開。外で待っていたケレブ・カヴバティ選手がトライゾーンにボールを蹴り込み、跳ねたボールをキャプテンとして出場した佐々木柚樹選手が抑え込みトライを決めた。10-14。

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009.jpgさらに前半ラストプレーでペナルティを獲得し、再びキックを選択。
これを確実に沈め、13-14と1点差まで詰めてハーフタイムを迎えた。

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キック処理に苦しむ場面はあったものの、アタックとディフェンスの全体像からはプレシーズンで積み重ねてきた形が随所に見え、後半への期待をつなぐ内容だった。

後半開始早々、浦安DRが一気に流れを引き寄せる。3分、シェーン・ゲイツ選手が強引にディフェンスの裏へ抜け出し、サム・ケレビ選手を経由してケレブ・カヴバティ選手へ。
相手を突き放す走りでトライを奪い、20-14と逆転に成功した。

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直後、相模原DBにトライライン目前まで攻め込まれる嫌な流れとなるが、課題としてきたトライ直後のディフェンスで集中を切らさず、ここをしっかりと守り切って脱出する。

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それでも26分、相模原DBのキックからゲインラインを奪われトライを許し、20-21と再逆転される。さらに33分にはペナルティゴールを決められ、20-24。

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トライを奪わなければ勝利できない状況に追い込まれた。あきらめずに攻め続ける浦安DRだが、トライを奪えず時間だけが過ぎていく。

試合終了のホーンが鳴ったそのラストプレー。

ゴール前5mで獲得したラインアウトから、浦安DRは迷わず勝負に出る。

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モールからバックスに展開し、後半から入った松本壮馬選手、小西泰聖選手が相手をぎりぎりまで引き付けて繋ぐと、最後はタナ・トゥハカライナ選手が空いた外のスペースへ一気に加速。
迫るディフェンスを振り切りトライゾーンへ飛び込むと、スタジアムに張り詰めていた重たい空気が歓声に変わった。

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一番端からの難しいコンバージョンキックも、オテレ・ブラック選手が冷静に成功させ、スコアは27-24。

ここでフルタイム。浦安DRが開幕戦を念願の白星で飾った。

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空中戦での競り合い、キック処理、オフサイドによるペナルティ、後半のラインアウトの安定感など、課題は少なくない。一方で、前半のセットプレーの安定、勝負どころでの集中力と粘り強さは確かな成果として表れた。

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苦しい時間帯を何度も乗り越えた末につかんだこの勝利は、完成度の高さを示すものではないが、積み上げてきたものが間違っていないことを証明する80分だった。

開幕戦という重圧の中で示したこの戦い方を、次の試合でどうつなげていくのか。

ラウンツリーHCのもとで築こうとしているチーム像が、確かな輪郭を持ち始めた初戦となった。

浦安D-Rocksのシーズンは、ここから本格的に動き出す。

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文 = 小泉将 写真=小野大介