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2025-26シーズン プレシーズンマッチ 1
「ラウンツリー新体制 初戦は26-26、価値あるドロー発進」

2025年9月27日(土)、快晴の熊谷スポーツ文化公園ラグビー場。

新体制となった浦安D-Rocks(以下、浦安DR)が挑む今季初戦の相手は、昨季4位の強豪・埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)だ。

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40分2本+20分1本の変則形式で行われたこの試合は、新たに就任したグラハム・ラウンツリーHC(以下、ラウンツリーHC)にとって、チームの現状を見極める格好の舞台となった。

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立ち上がりは埼玉WKが主導権を握る。

序盤から自陣深くに押し込まれ、10分近くゴール前で守り続ける苦しい展開が続く。

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それでも浦安DRは統率の取れたディフェンスで粘り、トライを許さず踏ん張る。

得点が動かずこのまま一本目の終了のホイッスルが鳴るかと思われたが、43分に浦安DRのペナルティから埼玉WKにチャンスを与えてしまい素早いリスタートに反応できず失点。0-7で最初の40分を終えた。

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2本目に入ると浦安DRはメンバーを総入れ替え。

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テンポよく攻め込む場面もあったが、10分にプレッシャーを受けて緩くなったパスを埼玉WKにインターセプトされ痛恨のトライを許す。

続けて16分、30分にも失点し、スコアは0-26と大きく突き放された。

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重苦しい空気が漂う中、意地を見せたのは終盤。

金侑悟選手のハイボールをイズラエル・フォラウ選手が競り勝ち、走り込んだ橋本法史選手、マナアキ・セルビー リキット選手とつなぎ、最後は新加入の山中亮平選手がタックルを受けながら力強くインゴールへ。

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今季初となるトライで5-26とし、チームに希望を残して2本目を終えた。

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最終の20分、浦安DRが一気に流れをつかむ。

開始早々、サム・ケレビ選手が強烈な突破で敵陣深く切り込み、崩れた守備をシェーン・ゲイツ選手が鋭いステップで切り裂く。最後は金嶺志選手が体を伸ばし、片手でねじ込むようにトライ。

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12-26と反撃の狼煙を上げた。

さらに10分、自陣5mの大ピンチから白栄拓也選手が落ち球に反応し、95mを走り抜ける圧巻の独走トライでスタンドを沸かせた。

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森駿太選手の難しい位置でのコンバージョンも決まり19-26と迫る。

勢いづいた浦安DRは18分、敵陣22mのラインアウトからモールを力強く押し込み、松下潤一郎選手が好判断で抜け出すと白栄拓也選手へ。

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最後はそのまま走り切って同点トライを奪った。キックも決まり、26-26。

残り時間も両軍が激しく攻め合ったが、スコアは動かず、ドローでの終幕となった。

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大きくリードを許しながらも若手、ベテラン共に活躍し追いついた粘りは、新体制の可能性を示すには十分だった。

一方で、立ち上がりの精度や規律面での甘さといった課題も明らかになった。

ラウンツリーHCの下、守備の安定とアタックの継続性を磨きながら、今後のプレシーズン、そしてリーグ開幕へ向けて成長を重ねていく。

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初陣のドローは、浦安DRにとって価値ある一歩となった。

文 = 小泉将