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いざ新時代へ

NTTジャパンラグビーリーグワン2024-25シーズン プレシーズンマッチ第4
◇浦安DR 3826 GR東葛(2024127日@千葉・柏の葉)

浦安D-Rocks(浦安DR)のタレントが躍動した。

日本代表の背番号3、竹内柊平がジャッカル連発で吠える。オーストラリア代表のサム・ケレビ、そしてトンガ代表のイズラエル・フォラウが豪快な突破で歓声を呼ぶ。
スタープレイヤーだけで得点は生まれない。いぶし銀の大型フランカー(187cm)大椙慎也はフル出場でオールアウトした。メンバー全員で、開幕前最後の勝利を支えた。 

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チーム創設3年目でディビジョン1D1)に初参戦する浦安DRは、開幕戦を2週間後に控えた127日、ディビジョン2所属のNECグリーンロケッツ東葛(GR東葛)とプレシーズン最終戦を行った。
冬晴れの下、2季前はD1を主戦場としていた強豪・GR東葛と最後の腕試し。この試合に息巻いていた一人が、2024年、ついに日本代表のプロップに定着した竹内だ。

「今週(日本代表活動から)チームに合流したんですが『(試合に)出られます』と言いました。オールブラックス戦の前など(日本代表活動の)オフがあるたびに練習には参加していていました」(竹内)

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代表活動の疲れをとるオフ期間に、竹内はチーム練習に参加し、理解を深めていた。この日の序盤、2連続のジャッカルは、そんな献身が実ったかのようだった。
開始1分。屈強なキャリアーを揃えるGR東葛がアタックを重ねる。ここで竹内がボールに絡みついてジャッカル(ボール争奪局面で攻守交代を起こす守備プレー)。さらに竹内は7分にも2連続のジャッカルを決め、自陣ピンチを救うヒーローとなった。

「ブレイクダウンはジャパンでも取り組んでいて、もともと自分の強みのプレーです。(ジャパンで磨いたスキルが)チームに役立って良かったです。コーチから昇格したグレイグ・レイドロー新HC(ヘッドコーチ)の下、浦安DRが今季フォーカスしている強化ポイントの一つが「敵陣でのアタック」(竹内)。

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チャンスを必ず得点に変えるチームと、チャンスを活かせずに後退するチーム。浦安DRは前者の道を突き詰めていく。

「敵陣に入ってのアタックは強みで、今シーズンでフォーカスしてきた部分。そこが試合で表れていることは良いことです」(竹内)

竹内が2度目のジャッカルを決めた直後の8分だ。同じく代表活動(オーストラリア代表)から戻ったCTBサム・ケレビがピック&ゴー。強烈ハンドオフを組み合わせ、先制トライを奪ってみせた。

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序盤に70とリードした浦安DR14分にはこの日初のスクラム・ペナルティも奪うが、その後に2連続トライ(前半1622分)を浴び、712と逆転を許してしまう。
失トライ1本目のきっかけは相手インターセプトによるエリア後退。その後の反則→モールで奪われた。失トライ2本目はオフロードパスを得意とする相手の攻撃力が光った。

この劣勢で高いクオリティを発揮したのが万能バックス、この日はウイング起用だった安田卓平だ。

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スタンドオフも可能な多機能性、快足、安定感・・・。多士済々のバックス陣にあって主力を守り続ける同志社大学出身の28歳は、エリア右端でボールをもらうと相手のダブルタックルを弾くビッグプレーから突破。敵陣奥に分け入る一番槍になった。

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ここからSH飯沼蓮主将が小気味よくさばく。ボールを託したのは一度のステップで相手を腰砕けにするイズラエル・フォラウ。
フォラウがゴール前に迫る。さらにオフロードパス。そしてラックを経由。最後はふたたび接点に走り込んだ194cmの世界的スター、フォラウが同点トライ。先発スタンドオフ田村煕の勝ち越しコンバージョンが成功し、1412とリードして前半を終えた。

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後半最初の一撃も浦安DRだった。

相手が連続ペナルティを犯し、敵陣左ゴール前ラインアウトのチャンスが巡ってくる。ここで前体制からの武器であるモールが炸裂。じわりじわりと前進し、最後は新加入で元日本代表のツイヘンドリックがチーム3本目。フォワード戦から2112とリードを広げた。
しかしGR東葛も開幕前の充実を見せつける。
ホストの声援を受けて、GR東葛は後半20分にペナルティからの速攻で3本目。エリア外側の突破とオフロードパスの合わせ技で4本目(後半25分)。浦安DR2126とふたたび逆転を許した。

「今日は(課題である)ペナルティ自体は少なかったですが、ノックオンであったりラインアウトのオーバーボールがあったり、ターンオーバーが多かった印象です。細かいハンドリングエラーはコミュニケーションのエラーでもあると思うので、開幕戦までの2週間でしっかりコネクションしたいです」(竹内)

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ただ、2度のリードを許しても、浦安DRは跳ね返した。
終盤に3連続トライを見舞ったのだ。強みとしている「敵陣でのアタック」が成果を挙げた。

後半30分、途中出場のオテレ・ブラックがするりと抜け出す。試合巧者の絶妙なロングゲインから敵陣ゴール前へ前進。相手がペナルティ(オフサイド)。ここからフォワードの近接戦で、同じく途中出場のローレンス・エラスマスがねじ込んだ。

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ゴール前にいけば獲れる――。そんな確信が持てるフォワードの迫力。充実度。決定力。

さらにCTBケレビの突進&オフロードパスでCTBシェーン・ゲイツが独走。ルーキーのケレブ・カヴバティが後半33分に右中間でトライを奪うと、4分後にもツイが自身2本目を奪って、終わってみれば12点差(3826)。

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終盤の3連続トライで突き放した浦安DRが、勝利でプレシーズン最終戦を飾った。
ただD1昇格初年度でトップ6(プレーオフ)を狙うチームとして、求めるスタンダードは高い。竹内は試合後、引き締まった表情で語った。

「チームとしても個人としてもコリジョン(衝突)、そしてディシプリン(規律)はもっとフォーカスしないといけません。相手がいる中では、やりたいことを100%出しづらいものですが、そこをカバーできるのがコミュニケーション、ヨコとの繋がりです。そこの役割を任されているのは明白なので、エナジーを出してチームを引っ張っていきたいです」

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これで多くのメンバーに出場機会を与えるプレシーズンマッチは22敗となった。
初陣の東京SG戦(2835)で手応えを掴み、2戦目のS東京ベイ戦(4017)ではモール守備はディフェンスが光って初白星。
3戦目は三重Hに対して随所で堅守をみせたが規律の乱れもあって2敗目(1733)。そして、今回の4戦目でプレシーズン勝敗を五分に戻した。

2週間後は、チーム創設以来初、歴史的なディビジョン1でのファーストゲームだ。
1222日(日)。午後230分キックオフ。神奈川・相模原ギオンスタジアム。相手はディビジョン13季目を迎える三菱重工相模原ダイナボアーズだ。

いざ、新時代へ。

D1参戦のチャンスを一度目で活かす。チャンスを逃すチームにはならない。
いよいよ、新たな歴史の幕が上がる。

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