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2024-25シーズンプレシーズンマッチ 第1戦目「初めの一歩」

NTTジャパンラグビー リーグワン 2024-25シーズン プレシーズンマッチ 第1戦目
◇浦安DR 2835 東京SG20241026日@東京サントリーサンゴリアスグラウンド)

獲った――。ピッチサイドで見守る浦安D-Rocks(浦安DR)のメンバーが、爆発的な歓声を上げた。

2024年度のプレシーズンマッチ初戦。相手は、昨季ディビジョン1D1)で3位の東京サントリーサンゴリアス(東京SG)。そんな緊張感を打ち破る、鮮烈な先制トライだ。D1初参戦、3年目の浦安DRのプレシーズンは、目の覚めるような一撃から始まった。

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東京・府中のグラウンドは、10月下旬の涼風が吹いていた。
昨季、創設2年目で悲願のD1昇格を勝ち取った浦安DR1222日の開幕戦へ向けたプレシーズンマッチ第1戦が、東京SGのグラウンド(東京・府中)でおこなわれた。

同日に日産スタジアム(神奈川)で開催されたニュージーランド代表戦(1964)に先発した日本代表PR竹内柊平、合宿招集のSH飯沼蓮主将らは不参加。しかし815日始動のチームは主将代行のLO中島進護を筆頭に、今季初の公式対外試合へ意気込んでいた。

「今日は良いところも悪いところも含めて『楽しもう』と。それは『G』も言っていたことです」(LO中島)

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G」は新指揮官の愛称。チーム創設初年度に浦安DRで選手生活を終えたグレイグ・レイドロー。初のヘッドコーチを日本最高峰D1でスタートさせるスコットランド代表の英雄だ。

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開幕戦へ向けた記念すべき第一歩。

その先発を見てみると、フロントローはPRセコナイア・ボレ、HO藤村琉士、PR平井将太郎。LO中島進護、LOローレンス エラスマス。元東京SGで新加入のFLツイヘンドリック、ルーキーFL小嶋大士、センターから転身のNO8トゥクフカトネ。

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日野RDから新加入のSH橋本法史、SOオテレ・ブラック。元東京SG2年目のCTBサム・ケレビ、CTBシェーン・ゲイツ。バックスリーはFL小嶋と大学同期(山梨学院大学)でもあるルーキーWTBケレブ・カヴバティと、WTB石井魁、FB安田卓平という安定感抜群の2人だった。

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そして後半メンバー[i]としてゲームキャプテンのHO金正奎を筆頭に15人、プラス6人が名を連ね、約35人で80分間を戦った。

薄曇りの午後1時、リーグワン公認レフリーの笛でキックオフ。すると開始直後、東京SGがノックオン。いきなり公式対外試合で「初めてのスクラム」がやってきた。
今季からのスクラム強化担当は、浦安DRで昨季現役を引退した元日本代表の浅原拓真アシスタントコーチ。「バス画伯」の愛称で知られる多才なスクラムマンだ。

開始3分の先制トライは、このスクラムが起点になった。

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まず注目のファーストスクラムで東京SG相手に拮抗。投入したマイボールを確保。ここで左へ展開すると元東京SGCTBサム・ケレビが、バチン、と鈍い音でディフェンダーを弾く。敵陣深くで連続攻撃をくりだすと、SOブラック背後の死角から走り込んだのはFB安田卓平。

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安田が防御裏に抜け出した、と、ボールを繋いで最後は突進役の背番号8でスタメンのトゥクフカトネ。Hポールの下に飛び込み、見守るメンバーが拳を突き上げた。初めて浦安DRで背番号8で先発したそのNO8トゥクフカは、ディフェンスでも絶好調。2度のジャッカル(ボール争奪局面で攻守交代を起こす守備プレー)で、東京SGの強烈なアタックを止めてみせる。

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が、東京SGも洗礼を浴びせた。

2015年から日本代表で3大会連続W杯出場のFB松島幸太朗が、ペナルティからのクイックスタートで急襲。このFB松島の仕掛けを起点として東京SGが前半16分、そして22分には勝ち越しトライを決めた。

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さらに前半27分には東京SGが、ひとつの突破からフォロワーをつなげて3連続トライ。均衡を崩した一瞬をトライに変える力にD1トップ4常連の凄味があった。

ここでHO金正奎(前半30分)、果敢な仕掛けが光るルーキーSH白栄拓也(前半32分)を投入。エナジーアップを図り、SH白栄はクイックスタートでゲインを獲るなど強気のプレーを披露した。

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だが、フォワード戦で地力を披露したのは東京SG。ペナルティから自陣右に侵入される。浦安DRの武器であるモールでは止めきりプライドを見せた。が、狭いサイドの11を制されて4本目。前半を東京SGリードの728で終えた。

「ブレイクダウンの寄りが遅かったことは反省です。しかし後半はそこも修正できました」(LO中島)

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後半の主導権は、浦安DRにあった。
後半からメンバーをガラリと変えた浦安DR。後半1本目を演出したのは元東京SGSO田村熙。昨季チームのスタンダードを引き上げた功労者が、連続攻撃から大外へ的確ロングパス。いきなりトライを奪い、相手リードを14点差(1428)に縮める。

「後半はさらに自分たちのやりたいことをやれました。後半は始めから3本連続でトライを取って、感触は良いです」(後半FB石田)

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この日最大のスクラムの見せ場は後半14分。

敵陣でペナルティをもらうと自軍投入スクラムを選択したのだ。フォワード、特に最前列でスクラムを組むフロントローにとっては存在意義を問われる場面。一度の組み直しの後、スクラムをじわりと押し込んだ。その瞬間――

「レッツゴー!!」

そう叫んだのは鬼気迫る表情で攻防を見ていたピッチサイドの浅原コーチ。そしてレフリーの笛。スクラムで見事にペナルティを奪った。

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このペナルティのアドバンテージからSO田村が防御背後へグラバーキック。追いかけていたのは後半出場した7人制男子代表で、今季は15人制にフォーカスするというFB石田大河。インゴールで押さえ、さらに2128と迫った。

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「(ペナルティをもらったら)早くボールを裏に蹴って全員で追いかけてトライする、というのは練習通りでした」(後半FB石田)

7点差に迫られた東京SGも反撃を試みる。しかし後半23分に東京SGは決定的なラインアウトモール。しかし浦安DRも止めきってみせる。
途中出場のPR金廉、HOサミソニ・アサエリ、新加入のLOゼファニア・トゥイノナら、一人ひとりが力強いタックルを放ち続ける。多くの昇格チームが苦心するフィジカルバトルで見劣りしない。

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浦安DRはたびたびノックオンを誘い、反撃しようとする相手に得点を許さない。ディフェンスのたびにチームの熱量が、温度が、ボルテージが高まっていく。やれる――。そんな感触を楽しんでいるようだった。

そして後半35分、ついに3連続トライ。

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浦安DRがふたたびスクラムでペナルティを奪うと、敵陣左に侵入。得意のラインアウトモールで猛プッシュするとモールが「走った」。トライ後の同点コンバージョン成功で「2828」となった。

残りは4分。

ここで最後にホストの意地をみせたのは東京SG

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浦安DRもたびたびモール、フォワードの強烈なダイレクトプレーを止めたが、東京SGが後半41分にフォワード戦で後半最初のトライ。トータルのスコアは2835となった。
試合後の選手たちの表情が薄日を浴びて輝いていたのは気のせいではないだろう。D1参戦1年目、確かな"初め"の一歩を刻んだ実感――。今季、15人制に戻った石田は言った。

「(チームのラグビーは)アタッキングラグビーでボールをよく動かします。優勝をめざせる良い選手が揃っているので楽しみです」(後半FB石田)

リーダーの一人として存在感を放つLO中島進護。

「今日は積み重ねてきたことがだせました。初めてのディビジョン1なので、練習試合を積み重ねていくのが楽しみですね」(LO中島)

次戦のプレシーズンマッチは112日(土)。本拠地・浦安Dパークで迎え撃つ相手は、同じ千葉県内を拠点とするクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1昨季6位)だ。

楽しみで、待ち遠しい。
初挑戦の舞台で、これから浦安D-Rocksはどんな物語を紡ぐのだろう。

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[i]PR玉木仁一郎/HO金正奎/PR金廉/LO佐藤大樹/LOゼファニア・トゥイノナ/FL武内慎/FLマッケンジーアレキサンダー/NO8プロディ・マカスケル/SH白栄拓也/SO田村照/WTB松本純弥/CTB森駿太/タCTBナ・トゥハカライナ/WTBコーディ・グレイス/FB石田大河/サミソニ・アサエリ/松下潤一郎/濱野隼也/小島佑太/ヘンドリック・スティットメント/小西泰聖
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