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2023-24シーズンマッチ第3戦「チャンスを掴む」

NTTジャパンラグビーリーグワン2023-24シーズン第3
◇浦安DR 52-22 釜石SW20231224日@福島・ハワイアンズスタジアムいわき)

 

浦安D-Rocks(浦安DR)のヨハン・アッカーマンHC。試合後に、記者からの質問に応える形で、この日急遽先発やリザーブに入った選手へ、賛辞を送った。

「彼らが上手くアジャストしてくれたことで、今日の結果があります」

"彼ら"とは、直前のメンバー変更でチャンスを与えられた5名だ。

まずはリザーブから急遽先発にくりあがったルーキーFL武内慎、CTBトゥクフカトネの2人。

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そして出場予定だった3[i]がメンバー外となり、急遽空いたリザーブ3枠に入った坂和樹、大椙慎也、途中出場から浦安DR初キャップを手にした髙野祥太の計5名だ。

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掴んだ出場チャンスで、それぞれが魅せた。

「体調不良などがあり準備段階でかなり変更がありましたが、チームとして良い経験でした」

「チームが掲げる『ダイナミック・インテンシティ』は強度の高いプレーをしようという意味ですが、『ダイナミック』には困難な状況にも対応しよう、という意味も込めています。そこは今日、チームとして見せられました」(アッカーマンHC

NTTジャパンラグビーリーグワン202324。ディビジョン2D2)の第3節。11敗の浦安DR1224日(日)、2敗の日本製鉄釜石シーウェイブス(釜石SW)とのビジターゲームに臨んだ。

舞台は、福島県いわき市のハワイアンズスタジアムいわき。

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周辺は全国有数の温泉郷、1600年以上の歴史を持つ「湯本温泉」。スタジアム最寄りのJR湯本駅には微かに硫黄のにおいが漂い、スタジアムに隣接する住宅街(草木台)は、全区画に温泉が引き込まれている全国でも珍しい"温泉付き住宅街"だ。

正午ながら冷え冷えとした曇天の下、浦安のフィフティーンは駆け出した。2023年のラストマッチ。前節からはスタメン7[]を変えていた。

「前半に良いスタートを切れたところはポジティブです。セットピースも上手くいっていました」(アッカーマンHC

昨季釜石SWには9219で大勝している。が、今回は違った。連続攻撃を止められる。突破口が開けない。SH飯沼蓮主将がやむを得ずキックに切り替える場面もあった。ホスト釜石SWの好守に、苦しめられた。

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それでも浦安DRは武器になっているモール、キックパスに活路を見出した。

フッカー転向2年目のHO金正奎がモールから先制トライ(前半4分)。さらに今季初出場のLOファンデルヴァルトがキックパスなどから2連続トライ(前半1722分)を奪った。トライへ繋がる多彩なチャンネルも浦安DRの武器だ。

前半33分には力強いドライブからふたたびHO金正奎がモールを仕留める。もう1本追加で前半5トライ。333で試合を折り返した。

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前半の好スタートに貢献した15人の中には、急遽先発となった明治大学出身のFL武内もいた。

「シン(武内)は当初リザーブでしたがスタートになり、80分良いプレーしてくれました」(アッカーマンHC

FL武内は1年前、20221225日、明治大学の4年生ロックとして大学選手権準々決勝(vs.早稲田大学/2127)に出場している。それから1年後。この日はフランカーとして80分間、鋭い出足で献身し、この日チーム最多のタックル数を記録した。

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そのタックル数で、この日チーム2番目の高値を叩き出したのは、80分出場したスタメン選手ではなかった。

急遽メンバー入りが決まった上、先発FL中島進護の負傷で前半24分にスクランブルで途中出場した31歳。

フランカーの大椙慎也だ。

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アッカーマンHCは大椙の練習態度に目を見張り、信頼を寄せていた。そして大椙には突然の緊急出場に応える、日々の積み重ねがあった。

浦安DRは後半から劣勢となる。「タックル精度、アタック精度を欠いてしまい」(アッカーマンHC)、3連続を許したのだ。後半16分からの約20分間は11点差(2233)とゲームは均衡していた。

地元いわき出身のWTB小野航大主将の下、勢いづく釜石SWが、こちらの22m内で連続攻撃を仕掛けてくる。防戦一方だ。ここでFL大椙の運動量が光った。相手のストレートランを真正面から、受け止める。明治大学の後輩であるFL武内も鋭く飛び出す。

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「大椙は今シーズン初試合でした。本当は後半から出場させる予定でしたが、中島進護の怪我があり予想より早めに出ました。今まで練習でよく頑張ってくれている選手。良い結果を残してくれました」(アッカーマンHC

大椙のもう一人の大学後輩、坂和樹もタックル&リロード、そして元バックローらしく果敢にジャッカルを試みた。窮地でペナルティもなく、守り続けた。

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「坂は土曜日(試合前日)になって初めてチームに入ることが確定した選手。彼も良いパフォーマンスを残してくれました」(アッカーマンHC

チームで堅守を重ねた末、ついに後半28分、執念のジャッカルで攻守交代。決めたのは坂にプロップ転向を勧めた同期、竹内柊平。ジャッカルのサポートには大椙がついていた。

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そして試合で決定的な仕事を果たしたのが、東北の秋田ノーザンブレッツでのプレー経験がある35歳。大阪産業大学出身のCTBトゥクフカトネだ。

膠着状態だった11点リードの後半33分。心身の消耗が激しい最終盤ながら、敵陣ラックでCTBトゥクフカが粘り、あがいて、攻守交代を起こした。その後の敵陣攻撃では力強いボールキャリー。均衡を破るCTBサム・ケレビのトライを呼び込んだ。

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「先発予定だったCTBゲイツが練習での怪我でメンバー外となって、トネは急遽、先発に入りました。良い仕事をしてくれました」(アッカーマンHC

浦安DRは終盤、立て続けに3連続トライ。最終的なスコアは5222。後半35分から途中出場の髙野祥太の記念すべきチームデビューもあった。守勢に回る時間も多かったが、昨季の課題でもあるペナルティ数は一桁台の「9」だった。

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2023年最後の試合を勝利で飾り、勝敗を白星先行(21敗)とした浦安DR。指揮官はここまでの3試合をこう振り返った。

「点を獲るべきところで獲りきれない、という部分はまだ課題です。完全に流れの良いアタックは出来ていません」

「特にターンオーバーからのアタック、アタックゾーンに入った時の攻撃。そこは来年も引き続き改善してきたい部分です。ただ最後の2試合は勝利を収めているので、そこはポジティブです」(アッカーマンHC

年明けの最初の試合は113日(土)だ。

4節の相手は、D2で唯一の3戦全勝、着実に力をつけている豊田自動織機シャトルズ愛知。浦安DRはホストゲーム。千葉・ゼットエーオリプリスタジアムで、首位を走る難敵に挑む。

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[i] FLリアム・ギル/CTBシェーン・ゲイツ/リザーブ石田楽人

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